交通事故と裁判について

交通事故を起こしたら?

交通事故を起こした場合、加害者には刑事処分、行政処分、被害者への損害賠償の三つの責任が発生します。このうち裁判が関係するのが刑事処分と被害者への賠償責任になります。被害者にけがをさせたり死亡させた場合は自動車運転過失致死傷罪により加害者の刑事処分が問われます。ひき逃げを行った場合は道路交通法違反に該当します。

また加害者が飲酒運転を行っていたり極端なスピードオーバー、信号無視等の通常よりも悪質な場合はより罰則が厳しい危険運転致死傷罪に該当することもあります

加害者への刑事処分は加害者の責任度合や被害者の怪我の内容、加害者の過去の事故歴や違反歴等により処罰の内容が決まります。被害者が軽傷の場合、被害者の信号無視等被害者の過失がかなり大きい場合等であれば飲酒運転やひき逃げといったことがなければ不起訴となり処罰はされない可能性が高くなります。

被害者が重傷で加害者の責任が大きい場合は略式起訴となり罰金刑になることが多くなります。加害者がこの処罰に納得いかない場合、危険運転致死傷罪に該当する場合、被害者が死亡した場合等であれば裁判により加害者の処罰が決まります。

執行猶予

それでも執行猶予になる場合が多いですが加害者の悪性が強い場合は実刑になることもあります。通常であれば刑期は長くても3年程度になります。

危険運転致死傷罪は自動車運転致死傷罪よりも処罰が重くなるので最長だと20年位になります。飲酒運転は割りの合わない犯罪とも言われますが、誰しもが気軽に違反してしまいそうな犯罪なのにそれに対する刑罰が非常に重たいことが理由です。またひき逃げの死亡事故であればほぼ間違いなく実刑になります。刑事処分に関する弁護士の費用等は自動車保険では対象になりません。

行政処分は免許の停止や取り消し等の処分に関することなので、処分に納得がいかず取り消しを求める行政訴訟を起こすことがなければ裁判に関係することはありません。ただし行政訴訟を行っても高い確率で取り消しが認められることはまずありません。この場合の弁護士費用も保険で支払ってはもらえません。

損害賠償のトラブル

もうひとつ交通事故と裁判が関係する場合が損害賠償額に折り合いがつかず民事裁判になるケースになります。この場合の弁護士費用は弁護士費用特約に加入していれば保険で支払ってもらえます。

また、保険会社が示談交渉を行う場合でも過去の判決を参考に進めていきます。被害者の要求が過去の判例でほぼ認められているものであれば保険会社も認めてもらえます。判例でほぼ否定されているもの、例えば事故車両を新車に変えて欲しいといった要求や相場を超えた慰謝料の請求といったものは保険会社は絶対に支払ってもらえません。

このような場合に訴訟を行ってもほぼ100%要求は通らないので被害感情に任せて余計な費用負担が発生しないよう注意が必要です。民事裁判では当事者双方が提出した証拠のどちらに信憑性があるかで有利不利が変わってきます

なので必ずしも正しい方が勝つとは限りません。また事故状況について双方の主張に食い違いがあり、絶対自分が正しいと主張してもドライブレコーダーや監視カメラの映像といった確実な証拠がなければ結局はお互いの間を取った内容で解決せざるを得なくなったりします。また一審で納得のいかない結果になったので控訴を行っても、交通事故レベルの訴訟であれは控訴審で認められる可能性はかなり低くなります。

控訴審で納得がいかなければ最高裁へ上告を行う権利は認められていますが、最高裁では憲法違反等の余程の事がなければ門前払いになるので、交通事故の民事訴訟では上告が認められることなはほぼ皆無といえます。