加害者請求と被害者請求

弁護士

加害者請求とは?

加害者請求は加害者が被害者に対して賠償金を支払い、その支払った金額を限度として、自賠責保険の保険会社に対して領収書やその他の必要書類を提出して行う請求方法で、自動車賠償責任保障法第15条で定められているため「15条請求」とも呼ばれます。

加害者請求を行う事故は大きく分けて傷害事故と死亡事故の2種類がありますが、この種類によって必要な書類に違いがあります。

傷害事故の場合に必要となる書類は自賠責保険支払請求書、交通事故証明書、診療報酬明細書、看護費用領収書の4つです。

これに対して死亡事故の場合に必要となる書類は自賠責保険支払請求書、交通事故証明書、戸籍・除籍謄本の3つとなります。

これらの書類は必要最低限のものであるため、事故の規模や被害者の怪我の具合によっては看護料領収書や示談書が必要となる場合もあります。
書類の入手方法はそれぞれ異なっており、例えば交通事故証明書は自動車安全運転センター、医師が書く診断書や診療報酬明細書などは被害者が通院した病院、印鑑証明は市区町村役所で発行が可能です。

書類を集めることが可能なのは加害者だけではなく、加害者から委任状を受けた弁護士が任意代理人として集めることも可能ですが、医療関係の書類を入手する際には被害者側の同意書が必要となるので注意が必要です。

自賠責保険は被害者救済を目的とした保険ですが、加害者側から十分な賠償を受けることができない場合も考えられます。

被害者請求とは?

そうした場合に被害者自らが最低限の賠償を請求することを被害者請求と言い、加害者請求と同じく自動車賠償責任保障法第16条で定められているため「16条請求」とも呼ばれます。
この被害者請求は自賠責保険において重要な位置づけにある制度です。

具体例としては被害者請求で後遺障害等級認定を求めることが可能であるという点で、これは保険会社に等級認定の手続きを任せる事前認定とは異なり、被害者自らが行う請求であるため手続きの透明性が高いものとなります。

また後遺障害の等級に応じた自賠責の限度額の先取りも可能となっています。

この他、相手方の任意保険会社から治療費などの一括払いを打ち切られてしまった場合にその後の治療費などを相手方の任意保険会社と交渉を行うことなく、自賠責保険への被害者請求手続きで回収することができる場合があります。

このように加害者請求と被害者請求は同じ法律で定められている制度ではありますが、それぞれに明確な違いがあるのです。